育児における子どもの「好き」を大事にすることの大切さ

育児における子どもの「好き」を大事にすることの大切さ

皆さんは、自分の好きなものが何か、知っていますか?

好きな色はなんですか?

好きなファッションはなんですか?

好きな景色はなんですか?

…恐らく、好きなものが分かっている人にとっては、よく分からない質問だと思います。

そんなの分かっていて当たり前でしょうと。

でも、ここに、それがよく分からない人間がいます。

私、自分の好きなものが分からないんです。

私が好きなもの=母が好きなもの?

私がそのことに気づいたのは、実家を出て、大学生になってからです。

友人とショッピングに出かけたときに、

これ可愛いね〜!!これおしゃれじゃない!?

とはしゃぐ友人に対し、私は何が可愛くて、何がおしゃれなのか、さっぱり分からないのです。

それまで洋服は、基本親が選んだものを着ていました。

思えば、高校生の頃まで、自分だけで洋服を買いに行ったことはなく、母と一緒に買いに行くのが当たり前でした。

一応自分で、これがいいかなと思って買おうとするわけですが、そこには出資者である母の価値観が、必ず入っていたように思います。

こっちのほうが可愛いよ!

それはちょっと微妙じゃない?

母に悪気はなく、純粋な感想だったのでしょう。

しかし、私は買ってもらう身なので、それに対して抵抗はしづらく、また、自信もありませんでした。

自分が良いと思ったものでも、

「え、そういうのが好きなの?」

と言われることが多く、自分はセンスがないのだという意識が、無意識に育まれていったのだと思います。

結局、洋服に関しては特に、母がいいと言ったものを買うことがほとんどでした。

ぼやけた感情

誤解を生みそうなエピソードからスタートしてしまいましたが、私、母のことは大好きです!

すごく大切に育ててくれましたし、本当に子ども第一の人で、私はこれまで当たり前のように愛を享受してきました。

優しく、時に厳しく、よく笑う明るくて素敵な母です。

ただ、人間誰しもウィークポイントはあると思いますが、母の場合、それは自分の価値観を人に押し付けること。(多分無意識)

そのため、洋服以外でもそういった「好き」の押し付けは度々ありました。

好きなお菓子を選ぶと、

「変わったのが好きねぇ」

好きなテレビを観ていると、

「こういう下品なのは嫌い」

もちろん毎度そうなわけではありません。

しかし、その度に私は気まずさを感じ、自分が好きなものより母が好きなものを選ぶようになりました。

その結果、自分の中の「好き」 という感情の輪郭が段々とボヤケていくような、そんな感覚に陥るようになったのです。

アドラー的に考える

突然ですが、皆さんは、アドラーという心理学者をご存知ですか?

少し前に「嫌われる勇気」という本が流行り、私も読んだのですが、その中に、アドラーの「目的論」という考え方が出てきます。

人間の行動は、過去の出来事に起因するのではなく、未来の目的のために起こるものだ、というものです。

ここまで私が述べてきたことは、どちらかというとフロイト的な考えに基づいたものです。

フロイトの理論は、アドラーの考え方とは真逆の「原因論」です。

私の例に当てはめると、

母が私の「好き」という感情を否定してきたから、私な好きなものが分からない

ということですね。

これを、アドラーの考えに当てはめてみるとどうでしょう。

私は自分の好みが分からないことに正当性を持たせるために、母から否定されてきたエピソードを大事にし、「好き」を見つけることから逃げている

…こんなところでしょうか。

このエピソードがあれば、

だって私、母のせいでおしゃれとかよく分かんないんだもん!

って簡単に言えちゃいますもんね。

実際そう言ってます。笑

反面教師

私が好きなのは、アドラーの考え方です。

それは、未来があるから。

フロイトの考え方は、慰めにはなるのですが、そこからどう進めばいいのか分からないのです。

だって、過去は変えることができないから。

その点、アドラーの考え方だと、自分の行動は主体的に選択できるというのが根本にあるので、私は努力次第で、これから自分の好きなものを見つけていけるということになります。

ただ、悲しいかな…今私にそこまでの情熱はありません。

自分の「好き」探しに、そこまで重きを置いていないのです。

私が今、1番重きを置いているのは「育児」です。

そこでは、フロイトの考え方が役に立つかもしれません。

私のこのぼやけた感情の原因が、母の価値観の押し付けによるものであるならば、私はそれを反面教師とすることで、子どもの感情を守ることができるからです。

そのため、私は娘が自分の意思表示をするようになってから、2つのことを心がけています。

  • 娘が「好き」というものを、絶対に否定しないこと
  • 自分の感想は伝えないこと

例えば、今、娘はピンク色や、キラキラ光るものが大好きです。

個人的には、インスタでよく見かけるくすみカラーとかがおしゃれなんだろうなと思うのですが…。

何かを買う際、仮に店頭に、どピンクのものと、くすみカラーのものが並んでいても、私は決して口を出しません。

娘の選択を待ち、結果を尊重します。

この場合、100%どピンクのものを選ぶと思いますが、喜んでそちらを買います。

(否定するのは高すぎるものを買おうとしたときだけ。笑)

あくまで私の目線ではありますが、今、娘はのびのびと自分の感情や価値観を育んでいっているように見えるので、フロイトの考え方もやはり大事なんでしょうね。

人生における成功とは

親からなんと言われようが、自分の好きなものを貫ける強さを持った人もいるでしょう。

私には、残念ながらその強さは備わっていませんでした。

しかし、私の良いところは、過去を分析して、それをどう未来に活かすか考え抜くことができるところです。

私は、人生「好き」を追求できたもの勝ちだと思っています。

没頭できる好きなものを見つけた時点で、人生7割成功。

好きなもので食べていける力を身につけた時点で9割成功

というのが持論です。

子どもたちには、とにかく「好き」を見つけてほしい。

そして、見つけたら全力で極めてほしい。

絵でも漫画でも、鉄道でも洋服でもなんでもいいんです。

そのためのサポートを全力でするのが、親の役割だと思っています。

もちろん、健康を害するものは別です。

例えば、テレビなんて娘は大好きですが、それはさすがに制限を設けています。笑

子どもたちのサポートが完了したら、遅ればせながら、今度は自分の「好き」探しの旅に出られたらいいなと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA